あまりにも呆気ない死
母が死んだ
突然だった
2日前には携帯で話した
仕事中で
ちょっと話して またあとでね
って切った
去年の11月に手術をした
年末には退院して
お正月は自宅で過ごせると
言われていた
だから
乗る気でなかった母を説得して
手術をお願いした
帰ってくると思っていたから
でも術後の腎臓が良く無くて
リハビリを兼ねての
3ヶ月の入院になった
思うように動けなくなって
一人でのおトイレも許されなくて
車椅子の移動が多くなり
母も帰りたいとは
口にしなかった
三次救急の病院からは
転院を促され
空きの出た病院に転院が決まり
その移動の時に
母に会えた
小さい身体は
車椅子にチョコンと
さらに小さく見えた
迷惑かけてすまないねぇ
って
涙目の顔が忘れられない
それから転院先の病院でも
面会はできないので
会えるのは
危篤状態になった時だと
言われた
でも
その前にコロナが収束して
会えると思っていた
退院も出来て自宅に戻ると思っていた
まさか
転院の時の数分間が
最後になるなんて
思ってもいなかった
亡くなった朝も元気だった
看護士さんに
水が飲みたいと話したそうだ
それでお水を渡したらしい
飲むところは見ていない
そのあと病室に行った時には
首回りに吐いた跡があり
呼吸は無かったと
死因は呼吸器不全
窒息死ではないのか?
水を誤飲しての窒息
病院内で
誰にも気づいてもらえず
天井を見つめて
苦しさに歪んだ顔をしたのではないだろうか
何を思ったのだろう
誰にも看取られずに
たった一人で逝ってしまった母
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