後悔

お天気良くて

青い空で

お散歩日和だなぁと



こんな青空

母も見ていたのだろうか?


病院のベットで

四角に切り取られた青空を


コロナ禍で

誰も見舞いにも来ない

捨てられたと口にする事も

あったと言う


そんな中

たった1人で

誰にも看取られずに

逝ってしまった




ごめんね

もっと何か出来たかもしれないのに

忙しいと

掛けてくれた電話も

途中で切ってしまって



ごめんね



帰ってきたらときは

もうお骨になっていて



何も出来なかった



1人で逝くのは

寂しかったね



何年経っても

後悔しかない


全ての決断を後悔してしまう


声が聞きたい


今日は本当に暑かった


夕方には

すごい雨が降って

雷が鳴って



こんな日は

必ず母から電話があった


暑かったでしょう?

って

そしてその日の母の様子を話してくれた








お母さん

今日は暑かったよ

雨すごかったね


今日は何していたの?


さくらんぼの季節になったよ

好きだったよね

あまりにも呆気ない死

母が死んだ


突然だった

2日前には携帯で話した

仕事中で

ちょっと話して またあとでね

って切った


去年の11月に手術をした

年末には退院して

お正月は自宅で過ごせると

言われていた

だから

乗る気でなかった母を説得して

手術をお願いした

帰ってくると思っていたから


でも術後の腎臓が良く無くて

リハビリを兼ねての

3ヶ月の入院になった

思うように動けなくなって

一人でのおトイレも許されなくて

車椅子の移動が多くなり

母も帰りたいとは

口にしなかった


三次救急の病院からは

転院を促され

空きの出た病院に転院が決まり

その移動の時に

母に会えた

小さい身体は

車椅子にチョコンと

さらに小さく見えた


迷惑かけてすまないねぇ

って


涙目の顔が忘れられない


それから転院先の病院でも

面会はできないので

会えるのは

危篤状態になった時だと

言われた


でも

その前にコロナが収束して

会えると思っていた

退院も出来て自宅に戻ると思っていた


まさか

転院の時の数分間が

最後になるなんて

思ってもいなかった


亡くなった朝も元気だった

看護士さんに

水が飲みたいと話したそうだ

それでお水を渡したらしい

飲むところは見ていない

そのあと病室に行った時には

首回りに吐いた跡があり

呼吸は無かったと


死因は呼吸器不全


窒息死ではないのか?

水を誤飲しての窒息

病院内で

誰にも気づいてもらえず

天井を見つめて

苦しさに歪んだ顔をしたのではないだろうか

何を思ったのだろう

誰にも看取られずに

たった一人で逝ってしまった母